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プラントをつくり、人もつくる。
一人前のエンジニアから、さらなる成長を。
配管設計
張間 健斗 Kento Harima
プラント事業部 エンジニアリング部 配管技術室
2013年4月入社/理工学部 機械工学科卒

※インタビュー内容は取材当時のものであり、
一部現在の部署業務とは異なる場合があります。

プラントも人も、これまでにないスケール。
設計から建設、完成まで見届ける達成感。

試運転も順調で、自分の設計図がカタチにでき上がる達成感――。その醍醐味は現場に立つと、自然と湧き上がってきます。プラント事業部は、神戸製鋼所グループ内の設備だけでなく、広く世の中のモノづくりシーンで貢献する「外販」事業を主に展開しています。私も大型プラント建設プロジェクトを終えたばかりで、お客様である化学メーカーが「作りたいもの」を確認し、見積もりから基本・詳細設計図、現場工事を終えるまでトータルに携わり、足かけ3年間のプロジェクトでした。原料を混ぜて重合し、ペレット状の粒にしてエアーで送り、加工し製品化するまで。50m四方の広さに、3つの建屋で階層も複数。必要なタンクやポンプの数が多いので当然、流体も粒体も送る配管の数は膨大になり、購入部品も増えてすべてに時間がかかります。溶接個所は約7万4000DB(1インチの配管溶接が1DB)で、配管の総延長はそれ以上の長さです。担当したどの現場よりもスケールが大きく、配管チームも多数メンバーがいて、その統括も任される立場でしたから、やり遂げた実感も格別です。何もない更地に、土建工事で基礎を固め、建屋の鉄骨を建て、機器を据え付けた後に、配管工事は始まります。図面通りか、機器や建屋などとの干渉はないか、すべての配管チェックを終えれば設計者としての現場業務は終わりですが、今回は試運転を終えてプラント全体が完成するまで見届けるチャンスを、上司が与えくれました。プラント事業部の方針も、配管技術の質の向上だけでなく、プラント全体が分かるエンジニアを育てる方針です。貴重な経験でしたし、配管設計の活躍シーンが広がる現場になりました。

デザインレビューでイメージを共有する楽しさ。
現場の運転員の笑顔が、最高の褒め言葉。

配管設計は、仕様とイメージをお客様と共有することから始まります。3D設計モデルのデザインレビュー(DR)で、土建・機器・計装設計も交えて情報を確認し合い、カタチを固めていくのは楽しいし、面白いですよ。現場工事の職人さんも、タブレット端末で配管やサポート製作物の3D設計データを見る時代だからこそ、設計ミスで影響を与えてしまわないように、と心がけています。「これもいいけど、もっと良くしたい」という要望も必ずあるので、次のDRに「こうしましょう!」とより良い提案をすることも、エンジニアの大事な仕事です。ただ、工期は決まっているので、限られた時間との戦いです。特に配管は前工程で工期遅れが生じるとしわ寄せを受けるので、スケジュールを上手にハンドリングし、各工程とコミュニケーションを密にする難しさがありますね。現場工事が始まってからも、プラント内に配管を通していくと、なぜか設計図になかった機器やダクトが出現し、干渉が生じることがあります。そんな時は配管の設計変更を柔軟に対応する必要がありますが、今回は無事に短工期で終えました。隣接する既存プラントよりも、使いやすく人も動きやすい「よりよい、新プラント」を建設することがミッションでしたが、完成後にお客様と一緒に現場を歩き、高い評価をいただきました。さらに、実際に現場でプラントを動かす運転員の方が「こっちの方がずっといい!本当に使いやすいよ」と言って、満面の笑顔だったのは嬉しかったですね。

後輩を見守りつつ、言うべきことも伝える。
自分で考え動き出すことが、成長の力に。

気が付けば8年目を迎えて、担当するプラントの規模も責任も大きくなりました。もう一つ、ブラザーとして後輩を指導し、仕事を任せながら育てることも大事なミッションです。1から10まで「あれやって、これはね…」と教え過ぎずに、自分で考えて動き出せるように、と。それが成長する力になるからです。今回のビッグプロジェクトも、配管チームだけでなく土建・機器・計装設計の後輩たちも、自分で考えて動き出す姿を見守っていました。心配は尽きませんし、任せた現場のチェックへ足を運ぶのは正直、怖かったですが、「見守りつつ、言うべきことは伝える」ことで、みんなの一体感も高まりました。プラントをつくりつつ、人もつくるプロジェクトになりましたね。私自身も、入社後3年間はブラザー制度のおかげで、誰に何を聞いていいか悩まずに済みましたし、ブラザーになって後輩を指導して、改めてこの制度の良さを再認識しました。これから若手がどんどん増えるので私もより先輩らしくなり、配管設計のエンジニアからさらに、プロジェクトエンジニアになりたい想いが強くなりました。設計のすべてにお客様のカウンターパートナーになって、より良いプラントをつくり上げていけたら、と。多様なお客様と仕事ができ、評価が次の仕事につながって、どんどん輪が広がる外販の醍醐味を存分に味わっていきたいですね。「10年で世界のどこへ行っても通用するエンジニア」に育つコベルコE&Mで、もうすぐ私も10年になります。毎年、成長を実感していますし、10年が過ぎ一人前になってからも成長し続けていける、と確信しています。

My Decision
入社の決め手

機械工学科で学び、小さな部品パーツよりも大きな設備、それもプラントなどスケールの大きな設計をやりたいなと。独りで黙々、ではなく、より多くの人と関わりながら設計ができると思ったからです。外販も行うコベルコE&Mなら、いろんなプラントに携われることが決め手になりました。兵庫県の出身なので、地元で福利厚生が充実していることも魅力でしたね、人生設計が立てやすいですから。説明会や面接官がとても接しやすかったので印象がとても良く、人間関係もいいと働きやすいだろうな、とも感じました。そんな「らしさ」は入社後も実感しています。部長も室長も意見を汲み取ってくれて、互いに「さん」づけで呼び合い、恐縮することがまずないですね。フレックス制度も始まって、子育てや病気、趣味の休暇にも利用しやすいですし、使うかどうかも自由です。働きやすさ、つまり生き方の選択肢が広がる会社ですよ。

The Spirit
この仕事の真髄

コミュケーションと柔軟な発想、主体性。どれも自分次第で、どんどん発揮していけるところですね。特に、同じ空間で多くの人と関わる配管設計は、コミュニケーションが大事です。伝えたい情報をバラバラと小出しにせず、大事なことをしっかりまとめる。双方向で話しやすいように、オープンにして共有する。納得いくまでやり取りを重ねて、良し悪しも言い合える。自分の想いが周囲とつながり膨らんでいくなかで、任された配管の仕事だけでなく「いいプラント」をつくることができます。殻をつくって閉じこもったり、独りで抱え込んだりする必要はありません。お客様や上司、後輩、他部署の設計エンジニア、協力会社など、周りにいる人たちのみんなと一緒に、「もっと、こうした方がいい!」と考え、より良い姿にしていくのは、本当に楽しいですよ。