パズルのピースを組み合わせる。
2019年4月新卒入社/工学部 社会システム土木系学科卒
※インタビュー内容は取材当時のものであり、
一部現在の部署業務とは異なる場合があります。
土建技術室初の新卒として、期待を実感。
「現場を知る」育成で学んだ、徹底ぶり。
「土建技術室には、若いチカラが必要になる。中村さんに来てほしい」。入社面接で建設部長にそう言われて期待の高さを感じ、この会社に入社しました。また、プラント事業部にはフライトプランと称した教育プログラムがあり、先輩社員が1名付くことで、技術者として案件遂行できるようになるまで段階を踏んだ教育を行っていることも入社の決め手でした。土建技術室におけるフライトプランの教育プログラムは、1年目、2年目、3年目の各年で成長目標が細かく設定され、全体を通じた育成方針のターゲットは施工を考えた設計のために、「現場を知る」ことです。1年目は、構造設計で必要な力学の知識や建物の基礎設計をゼロから教わり、建物の基礎がどんな工程でどんな人数で施工されるのか、2か月間施工現場に駐在することで、自分の目で確かめ、感覚的に学ぶことができました。基礎は頑丈で長持ちすればいい。入社前はその程度の理解でしたが、各基礎で適切な形状、必要とされる強度など様々であり、また、コンクリート中の鉄筋が柱や機器を固定するアンカーボルトと干渉しないように、鉄筋の配置を設計段階で考慮しておく必要があることも現場管理を通じて学びました。施工現場では、大雨や強風などの悪天候が、その日の作業工程や作業の安全性に大きく影響するため、工程に大きな遅れが発生しないように、かつ作業員が安全に作業できるよう、当社の現場監督等とゼネコンの現場監督とが打ち合わせを重ねることで、最良な工程が組まれます。その際、絶えず確認を怠らないなど徹底されており、私もゼネコンの現場監督に図面を渡す時には、設計の意図を伝えるためメモを付けるなど、相手に自分の意図が伝わるように心がけていました。土建の業務は、細かな作業の積み重ねで成り立っています。ことによっては、一つの小さな不整合から、後工程に大きな影響を与える可能性もあるため、とても繊細でタフな仕事です。勿論、慣れないことに対する難しさを感じることはありますが、それ以上に面白いしやりがいがあると感じています。
ストック時代へ、増設プラントの担当を志願。
先人の設計思想を知り、これからの自分に活かす。
2年目の秋から、既設プラントを増設する案件の基本計画と見積もりを任されています。今後、基本設計、詳細設計と段階が進み、現場工事が始まれば、土建工事の施工管理も行う予定です。大変そうな案件だと思いましたが、自分から「ぜひ、やらせてください!」と志願しました。スクラップ&ビルドのフロー型から、長寿命化を目指すストック型へと時代が変わるなかで、今後増えていくであろう既設プラントの増設や改造工事を経験しておきたいと思ったからです。業務内容の一つに、既設プラントのパイプラックに新たな配管を載せる計画があります。当然ですが荷重が増えるため、構造検討用に当時の架構図や構造計算書を確認したところ、建設されたのは35年前、私が生まれる前だと分かりました。現在に至るまで、改造工事は4回も実施されていたので、すべての計算書や解析データを追いかけるのはかなりハードでした。過去の検討評価や荷重、当時の構造計算における考え方を正確に読み取る必要があるところが、新規プラントとは違う難しさだと感じています。35年の歳月の間に建築基準法も厳格化しており、会ったこともない先人の設計思想も読み解いていかないといけません。しかし、そのすべてが自分の知見となって、これからの設計に役立っていきます。上司からは「担当した案件の計算書は一つ、手本として手元に置いておくといいよ」とアドバイスをもらい、初めて担当した案件の計算書をいつも机の上に置いています。構造計算の考え方や、設計方針をいつでも確認できるので、とても重宝しています。
仕事を見える化して、壁を乗り越え
後に続く後輩のために「新たな道」もつくる。
今は日々、着実に成長できている手応えがあります。もちろん、壁にもぶつかりました。2年目の春、初めて建築確認の完了検査の申請を担当した時、検査成績書の作成が提出期限間近になってしまい…。フライトプランの学びを思い出し、「できていること、できていないこと」「自分にできること、誰かに依頼するべきこと、優先度の高いこと」などをすべてexcelに書き出し、見える化しました。また、ゼネコンの現場監督への依頼も、必要な項目を書き込むだけで済むようにし、スピード化に加え、エビデンスとしても残すことが可能になりました。上司にも相談して、検査実施日までの予定を立て、当日、検査機関の厳しいチェックを経て無事に検査済証を手にした時は、言葉にできない達成感が湧き上がりました。その後は、この経験を活かし、次案件に向けてチェックシートやフローチャートなどを自分なりに作成しました。私だけでなく土建技術室全体で設計業務の効率化が図れるよう取り組んでいます。新卒1年目の私が苦労したことは、後に続く後輩たちも同じように感じるかもしれません。新人もベテランも、誰もが分かりやすく簡単に使える新しいベースとなれば嬉しいです。私自身、これからもっと幅広く知識を習得していき、土建技術室の先頭に立つエンジニアになっていきたいですし、一級建築士の資格取得も目標にしています。そして「中村に聞けば、わかるよ」「あいつに任せれば、間違いない」と言われる存在になって、コベルコE&Mのプラント建設の技術をしっかり、後輩たちと一緒に受け継いでいきたいです。
テレビ番組「ビフォーアフター」が大好きだった小学生の頃から「一級建築士になる!」と決めていました。就活はゼネコンや建設コンサルタント、エネルギー産業などインフラ関係も検討しましたが、「土木の施工管理だけでなく、建築の設計もやりたい」と探し求めて、見つけ出したのがコベルコE&Mでした。見積もりから設計、現場管理まで一貫してプラント建設に携われるのは、大きな魅力でした。最後の決め手は、人です。大学を訪れた機械系の先輩社員に「土木建築の方の話を聞きたい」と伝えたら、すぐにレスポンスがあって、土建技術室の社員との顔合わせが実現しました。話を聞く中で、仲間想いでアットホーム、働き方の自由度の高さを実感できました。就活では、自分の中で絶対に「譲れないもの」を最低限持っておくことが大切です。できない理由を探すよりも、やって無理なら仕方ないという意気込みでまずは始めてみてください。「Stay hungry, stay foolish.」です。
プラントづくりは一品一様ですが、構造計算の考え方は大きく変わりませんし、似た事例もあり、先人の計算書や設計図を見れば見るほど知識が増える楽しみがあります。ベースがあるからその上に、自分の考え方をどんどん組み上げていくことができます。自分が何を提案できるか、今あるベースからより良いものをつくるのがエンジニアリングの仕事です。また、土建が施工した基礎や架構に、機器や配管が設置されるため、設計時の小さなチェック漏れが、次工程で大きな問題となって返ってくることもあります。納期を守れなければ信頼を失いますし、情報は常に動いて変化し、一人ひとりの認識にも誤差が生まれやすい。大きなものを作るからこそ、小さな気づきや細部まで突き詰めることが大事です。責任重大な仕事ですが、自分で設計したプラントが、目の前に建ったときの感動と達成感こそ、この仕事の最大の魅力だと思います。