大規模なスラグ加工処理設備。
設計・製作・据付・
試運転をトータルに担う。
スラグをクラッシャで破砕するH系設備11基、スクリーンで篩い分けて粒を整える
F系設備5基のジェットコースターのように連なる搬送コンベヤ。かつてない大規模な処理設備が誕生しようとしていた。
- 藤原
- 破砕力の規模を増強すること。神戸・加古川両製鉄所で工程ごとに発生する多様なスラグを、統合処理できること。従来にない設備だけに当然、規模は大きくなるし、新仕様の設計も必要になる。初めてPMを任されるのが、これほどスケールの大きなPJTとは…。
- 渡辺
- 大きなPJTは初めてで不安もありましたけど、それ以上に携われる喜びの方が大きかったです。
- 片岡
- 私も入社2年目でいきなり、上司から「いい経験を積んでこい!」と言われて、電気系統の設計と現場監督を任されました。やるべきことが多く広範囲で、機械工事の工程も把握しないといけない。何をどう調整するのか、上司・先輩にサポートいただいて、本当に心強かったです。
- 藤原
- 工程設計、製作、据付工事、調達…。PJTの規模と工期のバランスを考えた時、絶対的に時間も人も足りそうにない。そう感じて、ずっと逆風が吹き続ける気がしていた(苦笑)。
- 渡辺
- PJTが進むほどに、この規模を短期間でやる大変さと凄さを実感しましたね。それでも「何とかなる!」と思えたんです。PJTメンバーがみんな、次々とアイデアを出し合い、いいと思うことはどんどん実行しましたから。
新設備が稼働開始する2019年のタイムリミットまで、工期は約13カ月と短い。
限られた時間を有効に活用しマンパワーも補うために、新たな設計ツールに3DCADを採用した。
- 渡辺
- 3DCADを導入することで、図面チェックに要する時間が、半減どころか大幅に削減できました。設備の干渉部位や取り合い寸法が間違っていれば、自動でエラーを検出してくれる。図面の束を突き合わせるチェックの手間が不要になって、エラー修正と、構造、安全性、強度面の確認だけで済みました。
- 藤原
- 新設予定の何もない更地に立った時、逆風を乗り越えるには経験値だけに頼らず、何か+αの発想で挑戦しないといけない、そう思った。そして、新たな設計ツールとして取り入れたのが、3DCADの活用。据付工事の段階で、取り合いがうまくいかず現場で途方に暮れる。そんなシーンをなくすメリットもあったしね。
- 片岡
- 一番怖いのは、それ。モノが揃って、現場で合わないと致命的ですからね、工期短縮には。
- 藤原
- 既設設備の改造・更新の設計・製作には、古い手描きや2DCADの図面がベースになるので、取合いや位置関係の3DCADへの反映が手間で難しくなるけど、新設なら3DCADで無駄なくすべて描写できる。突拍子もないアイデアに思えても、妥当性をしっかり訴えたら、上司もちゃんと聞く耳を持ち、認めてくれる。足りないマンパワーも、OBエンジニアのみなさんに協力を仰いで、快く協力してもらえた。こうした総合力みたいな部分は、コベルコE&Mだからこその強みだと思うね。