コンプライアンスに関する取り組み
当社では、反コンプライアンス事象が発生する時の組織的要因である「しくみ」、「教育」、「風土」に着目しています。これら3要因に対して、徹底的に対策を講じることによって、反コンプライアンス事象が発生しない・発生させない風通しの良い組織づくりを目指しています。当社では、「しくみ」、「教育」、「風土」への取組みを3本柱としており、具体的には次の通りです。
しくみ
コンプライアンス違反を防止するためには、しっかりとした仕組みが必要です。当社では10項目以上の内部監査を実施し、コンプライアンス委員会、内部通報制度を設置して、法令遵守に着実な努力を続けています。
内部監査
当社では、コンプライアンス徹底を図る仕組みの一環として、各種内部監査を原則年2回実施しています。監査は、当社の定める内部監査規程および内部監査計画に基づいて実施しています。
主な監査範囲
- 建設業法
- 資材管理
- 安全保障貿易
- 滞留資産管理
- 独占禁止法
- 労働基準法
- 労働者派遣法
- 下請法
- J-SOX
(購買・営業プロセス) - 関係会社管理
- 安全衛生
- システム
(セキュリティ他) - 売上案件の適正処理
コンプライアンス委員会
コンプライアンス委員会は、社長を委員長とする組織で、当社の法令遵守体制の強化および企業倫理意識の定着を目的に設置しています。当社のコンプライアンスに関する方針や制度の策定、コンプライアンス違反事象発生時の原因調査と是正措置、再発防止策の審議・策定を行います。当社では、6ヶ月に1回の定期開催に加え、必要に応じて随時開催しています。
コンプライアンス推進者・コンプライアンスリーダー任命制度
当社では、職場のコンプライアンスを推進するために、全社で約100名強のコンプライアンス推進者を1年間の任期で任命しています。また、その中からコンプライアンスリーダーを選出し、定期的に社長と意見交換を行っています。
内部通報制度
当社では、企業活動におけるリスクの顕在化・拡大を未然に防止するため、内部通報システムを設置しています。これは当社の「企業倫理規範・行動基準規定」などに違反する不正行為について、何らかの事情により、通常の職制ラインを通じての相談が困難な場合に報告・相談を受け付ける内部通報制度です。窓口は社内と社外があり、それぞれ倫理相談室、社外弁護士が担当しています。窓口の連絡先を記載したコンプライアンスカードを全社員に配布しシステムを周知しています。通報については匿名でも可能です。また、通報を行った社員が通報を行ったことで不利益を受けないよう、内部通報システム規程を定め、運用しています。
教育
コンプライアンスの徹底を図るうえで、業務に関する法律の知識は必要不可欠なものです。当社では、教育をコンプライアンスの要の一つと捉え、様々な教育を実施しています。
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役員研修(年1回)
経営者として必要な企業倫理・コンプライアンスに関する知識・見識を身に付けるために、関係会社社長も含む全役員を対象に研修を実施しています。
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コンプライアンス能力向上研修
全社にコンプライアンス意識を定着させるために、全社員を対象に研修を実施し一巡しました。2012年からは、内容をワンラックアップさせた研修を実施しています。
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コンプライアンス推進者育成研修(年2回)
各職場にコンプライアンス推進者を配置し、各職場のコンプライアンス活動を推進しています。コンプライアンス推進者の育成と知識充実を目的に各種研修を開催しています。
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法令研修(年1回)
外部講師による各種法令に関する講演会を実施しています。現在までに「建設業法」、「労働時間管理」、「セクシャルハラスメント・パワーハラスメント」をテーマとして講演会を開催しました。
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管理職対象組織活性化研修
女性社員の能力や可能性を引き出すコーチングを学び、女性社員の活躍を支援するための実践力を要請する研修を、女性社員を部下に持つ管理職を対象に実施しています。
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女性活躍支援研修
女性社員を対象に、自分の能力を最大限に活かす方法を模索するキャリア開発研修や仕事に対するモチベーションの向上を図る研修を実施しています。
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外部講師講演会(年1回)
コンプライアンスおよびCSRの先進企業から講師を招き、講演会を開催しています。外部経営環境・企業への社会的期待の変化を学び、コンプライアンス意識の向上およびさらなるCSR活動の推進を図っています。
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インターネット研修e-ラーニング(毎月)
業務遂行にあたり社員が知っておくべき重要な個別法令等を取り上げ、e-ラーニングを実施しています。テーマには、「建設業法」「独占禁止法」「下請法」「メンタルヘルス」「セクハラ・パワハラ」など全14テーマがあります。各社員は、自己の業務内容に応じて受講しています。業員と家族の健康を重要な経営課題と捉え、安全と健康を最優先する職場文化を醸成していきます。
風土
風通しの良い職場には、「反コンプライアンス事象が発生しない」との考えのもとに、各種コミュニケーションの機会の設定やツールを準備し、「風通しの良い職場づくり」を目指しています。
職場コミュニケーションの推進
当社は、風通しのよい職場づくりの一環として、各部署にコンプライアンス推進者を配置しています。コンプライアンス推進者体制は2009年度に始まり、2013年度には111名のコンプライアンス推進者が社長から直接に任命され、活躍しています。コンプライアンス推進者はコンプライアンス推進者育成研修を必ず受講し、コンプライアンスに関する啓発活動、職場討議の進行などの役割を担い、「風通しの良い職場づくり」を推進しています。
社長との直接対話
明るい職場を作るために、社長が各事業所を訪問し、コンプライアンス推進者との意見交換会を実施しています。コンプライアンス推進者からは会社に対する様々な疑問や現場で起きている問題が提起され、社長からは会社が目指す方向や経営面の問題意識を直接伝えます。社長と現場が共通認識を持つことができる場となっています。
社長を囲んでの車座座談会の開催
コンプライアンス推進者から、さらに23名のリーダーを選出し、3ヶ月毎にコンプライアンスリーダー会議を開催しています。この会議には、社長・役員も参加しフリー討議形式で行われます。職場の問題、会社への要望など忌憚のない意見が交わされ、経営陣との活発なコミュニケーションが実現しています。
職場討議の開催
全従業員が各職場単位で3ヶ月毎に職場討議を実施しています。職場討議では、当社で発生する可能性がある反コンプライアンス事例を30ケース、事例集にまとめ、この事例集を活用して、企業倫理・コンプライアンス意識の向上にむけて、活発な討論を実施しています。
また、各事業所では独自テーマを決めて討論を行ったり、職場での問題や会社への意見・要望等を話し合い、風通しの良い職場づくりに向けて、積極的に取り組んでいます。
リスク管理
当社では事業環境を取り巻くあらゆるリスクについて、個別のリスク項目を抽出しています。
具体的には当社の事業計画に連動する「リスク管理計画」を策定し、それぞれのリスク項目に関する法令や社会の変化、過去に発生した社内事例を織り込みながら、リスク発生時の対処や予防保全策を含めた現状の統制内容を整理し、毎年の活動計画としてまとめています。
この「リスク管理計画」に基づき、それぞれの計画について、実行・点検・見直しを繰り返すことで、事業運営の中でのPDCA(Plan、Do、Check、Action)サイクルを着実に回しています。
また、特にリスクが顕在化した場合に、当社事業への影響度が大きな項目や優先度の高い項目を重点リスク項目と位置付け、重点的な活動に取り組んでいます。
情報セキュリティ
当社は、取り扱う全ての情報資産について、適切に取り扱い保護することが企業としての社会的責務であると考えており、信頼される高度な情報セキュリティマネジメントを実践しています。
主なセキュリティ対策
- パソコンや情報機器の社外持ち出し管理とともに、紛失・盗難した場合でも、情報の抜き取りが行えないよう、パスワード運用と情報の暗号化を実施しています。
- 情報漏洩等の問題が発生したときには、即時に追跡調査を行い、被害を最小にとどめられるよう各種のアクセスログを採取・保管しています。
(電子メールの送受信ログ、USB等への情報書き出しログなど) - 新種のコンピュータウィルスからもパソコンを守るため、最新のセキュリティ対策ソフトの強制自動適用を実施しています。
インターネット経由でのウィルス感染を防止するため、ウィルス感染する可能性の高いサイトへの接続を制限しています。 - 『情報セキュリティ対策運用マニュアル』を定め、遵守状況について定期監査を実施し、守られていないパソコンはネットワークに接続できない仕組みを導入しています。